四柱推命入門
あなたの「運命の設計図」- 命式とは?
四柱推命は、あなたが生まれた「年・月・日・時間」をもとに、自分だけの「運命の設計図」を作成して、生まれ持った才能や運勢の流れを読み解いていく占いです。この設計図のことを「命式(めいしき)」と呼びます。
命式を分析することで、あなたの性格、恋愛、仕事、金運、家族との関係など、人生の様々なテーマについて知ることができます。
命式を構成する主なパーツ
命式は、いくつかの専門的なパーツで構成されています。ここでは代表的なものをご紹介します。
- 四柱(しちゅう): 生まれた「年・月・日・時間」のこと。それぞれ「年柱」「月柱」「日柱」「時柱」と呼ばれ、人生の異なる側面や時期を表します。
- 天干(てんかん)と地支(ちし): 四柱のそれぞれに割り当てられるシンボルです。一般的に「干支(えと)」として知られています。あなたの表面的な性格や、社会に見せる顔などを表します。
- 蔵干(ぞうかん): 地支の中に隠されたエネルギーのこと。あなたもまだ気づいていない、内面の性格や潜在能力を表します。
- 運命星(うんめいせい): あなたの性格や才能の「核」となる星です。特に、月柱の蔵干から導き出される「月支元命(げっしげんめい)」は、自分らしさを最も強く象徴する重要な星です。
- 十二運星(じゅうにうんせい): あなたの人生のエネルギーの強さや勢いを、誕生から死後までの12段階で表す星です。人生の各ステージ(幼年期、中年期、晩年期)での運気の波を知ることができます。
- 空亡(くうぼう): 「天中殺(てんちゅうさつ)」とも呼ばれる、少し不安定になりやすい時期のこと。新しいことを始めるより、自分を見つめ直したり、休息したりするのに適したタイミングとされています。
- 吉凶神殺星(きっきょうしんさつせい): 運勢に特別な影響を与える「スペシャルな星」です。あなたの運を強力に後押ししてくれる星もあれば、少し注意が必要な星もあります。
命式チャートの例
実際の命式は、このように表の形で表されます。それぞれのマスに、あなたの生まれた時のエネルギーが書き込まれていきます。
年柱 | 月柱 | 日柱 | 時柱 | |
---|---|---|---|---|
天干 | 天干 運命星 / 十二運星 |
天干 運命星 / 十二運星 |
あなた自身 (天干) |
天干 運命星 / 十二運星 |
地支 | 地支 | 地支 | 地支 | 地支 |
蔵干 | 蔵干 運命星 / 十二運星 |
蔵干 中心星(元命) / 十二運星 |
蔵干 運命星 / 十二運星 |
蔵干 運命星 / 十二運星 |
その他 | 空亡・吉凶神殺星など |
四柱推命の歴史
四柱推命の基本となる干支は、古代中国の黄帝の時代に発生したとされています。歴史学上では、殷(紀元前一七〇〇頃~紀元前一一〇〇頃)の時代、殷王朝があった殷墟から、甲羅や骨に干支を刻んだ甲骨文が発見されています。その後、戦国時代(紀元前四〇〇~紀元前二二一)に、鬼谷子という学者が、干支を術として体系化しました。
四柱推命は、隋、唐(五八九~九六〇)の時代にその基本が作られたといわれています。その後、宋(九六〇~一二七九)の時代になって、除子平が「淵海子平」という四柱推命の本を著し、この本が江戸時代、正徳年間(一七一一~一七一五)に日本に伝えられました。その他、中国では、明(一三六八~一六六二)の時代に劉伯温の著した、「滴天髓」などが有名です。
日本では、江戸時代の文政年間(一八一八~一八二九)になって、仙台の医者、桜内虎門が、「椎名書」という四柱推命の本を出したのですが、当時の人にとってはあまりにも難解すぎたために、理解されなかったようです。
その後、推命学の研究が盛んになったのは、明治、大正に入ってからで、松本義亮、布山章山、高木乗、阿部泰山諸師が研究、研鑽に努めました。中でも阿部泰山師の「泰山全集」は有名であり、推命学を学ぶ者の座右の書ともなっています。
命式から読み解けること
命式を完成させるためには、これまで紹介した「運命星」や「十二運星」の他に、あなたのエネルギーが強いタイプか穏やかなタイプかを示す「身旺(みおう)」「身弱(みじゃく)」といった要素も考慮します。
これらの様々なパーツを一つひとつ順を追って組み合わせていくことで、あなただけの命式は完成します。一見、複雑に見えるかもしれませんが、手順をしっかり理解すれば、誰でも自分の本質を知るヒントを得ることができます。
こうして完成した命式を読み解くことで、あなたに備わっている才能や、星々がどのように影響し合っているかが分かります。それにより、運勢の良し悪しだけでなく、性格、家庭環境、そしてあなたを取り巻くあらゆる事柄について、深く理解することができるのです。