方徳と方災を学ぶ
九星気学で吉方位を調べる基本と方位盤の見方
気学では、吉方位に移動すると運気がアップし、凶方位を使ってしまうと運気がダウンするという考え方をします。方位を使ってあらわれる幸運と不運について、その基本となる「方徳（ほうとく）」と「方災（ほうさい）」を理解しましょう。
方徳と方災の基本
幸運をもたらす「方徳」
吉方位を使って得られる幸運は「方徳」といいます。運気をアップさせるとは、吉方位を使って、できるだけ多くの方徳を受けることです。方徳を利用すれば、あなたの目的に合わせた開運を手にすることができます。吉方位を使って移転や移動をしたあとから、どのような幸運が訪れるのか楽しみになることでしょう。
不運を招く「方災」
凶方位を使って起こる不運は「方災」といいます。凶方位へ移動すると、方災によって運気がダウンします。しかし、方災について知っておくことも、気学を使う上でとても大切です。仕事などの都合でどうしても凶方位へ移動しなければならないときでも、方災の効果をあらかじめ知っておくことで、受ける不運を最小限にとどめることができます。
「凶方位は気にしない」と考えるのではなく、正しく理解して対処することが、運気を安定させる上で重要です。
九星のめぐる方位で異なる効果
では、方徳や方災によって、具体的にどのような幸運や不運がもたらされるのでしょうか。その効果は、九星の持つ「象意（しょうい）」が反映されることによって現れます。吉方位で方徳を得るときは象意の良い面があらわれ、方災は象意の悪い面があらわれるのです。
あなたが受け取る方徳と方災は、移動先の八方位に割り当てられた九星と、吉方位（または凶方位）として使った九星との関係性によって決まります。
後天定位盤
各方位が持つ基本的な性質は、下の「後天定位盤（こうてんじょういばん）」によって定められています。例えば、北は「一白水星」、南は「九紫火星」の性質を帯びています。
| 南東 | 南 | 南西 |
|---|---|---|
| 四緑木星 | 九紫火星 | 二黒土星 |
| 東 | 中央 | 西 |
| 三碧木星 | 五黄土星 | 七赤金星 |
| 北東 | 北 | 北西 |
| 八白土星 | 一白水星 | 六白金星 |
具体例：七赤金星の吉方位で北へ移動したとき
ここで一つ、具体的な例を見てみましょう。例えば「七赤金星」が吉方位となる年に、その方位を使って「北」へ移動した場合、どのような効果が得られるでしょうか。
移動先の「北」は、後天定位盤では「一白水星」が位置する方位です。
そして、吉方位として使ったのは「七赤金星」です。
この場合、北が持つ一白水星の象意と、七赤金星の象意、両方の良い面があらわれます。これが方徳です。具体的には、一白水星の方徳によって交際関係が活発になり、良縁に結びつく効果が期待できます。さらに、使った七赤金星の効果が重なることで、金運がアップするなどの幸運が得られるのです。
吉方位の調べ方：年盤・月盤・日盤の見方の基本
方徳と方災の仕組みを理解したところで、次に「自分の吉方位はいつ、どの方角なのか」を調べたくなりますよね。無料でできる九星気学の調べ方として、基本となるのが**「年盤」「月盤」「日盤」**という3つの盤です。これらはそれぞれ影響を及ぼす期間や事柄が異なります。
影響期間で使い分ける3つの盤
- 年盤：その年の大きな運気の流れ。引越しや転職、家の新築など、長期間にわたって影響する事柄で最重要。
- 月盤：その月の運気の流れ。海外旅行や数日間の国内旅行、大きな契約事など、中期的な事柄で影響力を発揮。
- 日盤：その日の運気の流れ。日帰り旅行や買い物、大切な商談やデートなど、短期的な行動で効果を発揮。
「引越しでは年盤と月盤のどっちを優先すべき？」という疑問も多いですが、基本的には最も影響の大きい**年盤を最優先**し、その上で月盤も吉となるタイミングを選ぶのが理想的です。吉方位年盤月盤日盤がすべて重なる日は特に効果が高いとされています。これらの盤の見方を学び、自分の目的に合わせて使い分けることが、開運への第一歩です。
方位と気学に関するよくある質問
Q. 方徳とは何ですか？
A. 方徳（ほうとく）とは、吉方位へ移動したり、その方位の物事を取り入れたりすることで得られる、良い運気や幸運のことです。この記事で解説したように、移動先の方位が持つエネルギーと、自分の九星との良い関係性によって生まれます。
Q. 吉方位はどうやって決まるの？
A. 吉方位は、主に個人の生年月日から算出される「本命星（ほんめいせい）」と「月命星（げつめいせい）」を基に、その年・月・日の九星の配置（年盤・月盤・日盤）との関係性を見て判断されます。本命星と月命星の違いは、本命星が生涯変わらないその人の本質を示すのに対し、月命星は特に若い頃の性質や精神面に影響を与えるとされています。
Q. 吉方位を取るとどうなるの？ 最大吉方位の効果は？
A. 吉方位を取ることで、その方位や九星が持つ象意に沿った良い出来事が起こりやすくなります。例えば、金運、仕事運、恋愛運、健康運の向上や、人間関係の改善などが期待できます。特に年盤・月盤・日盤などが重なる「最大吉方位」を取ると、その効果はより強力で、人生の転機となるような大きな幸運をもたらすことがあると言われています。
Q. 吉方位取りの効果は、いつ現れる？
A. 効果が現れるタイミングは、移動距離や滞在時間、使用した盤の種類によって異なります。一般的に、日盤を使った日帰り旅行なら4日後・7日後・10日後、月盤を使った旅行なら4ヶ月後・7ヶ月後、年盤を使った引越しなら4年後・7年後…というように、「4、7、10、13の法則」と呼ばれる周期で現れると言われています。
Q. 2026年にやってはいけない方角（殺気の方位）は？
A. 九星気学には、誰にとっても凶となる「万人共通の凶方位」が存在します。これがいわゆる「殺気の方位」です。代表的なものに、その年の五黄土星が位置する「五黄殺（ごおうさつ）」、その反対側の「暗剣殺（あんけんさつ）」、その年の十二支の反対方位である「歳破（さいは）」などがあります。これらの凶方位は毎年変わるため、例えば2026年や2027年の吉方位マップを確認するなど、行動を起こす前には必ずその年の盤を確認することが大切です。
Q. Googleマップで方角を調べるには？
A. スマートフォンアプリのGoogleマップを使えば、自宅からの方角を簡単に調べられます。
- 自宅など、中心にしたい地点を長押しして赤いピンを立てます。
- 画面下に表示される場所の名前の部分をタップします。
- メニューの中から「距離を測定」を選択します。
- 地図を動かして目的地に黒い丸を合わせると、画面下に直線距離が表示されます。この線が方位の目安になります。（より正確に知りたい場合は、方位線を表示できる吉方位マップアプリなどの利用もおすすめです）
今回は、方位がもたらす幸運「方徳」と不運「方災」の基本から、九星気学における方位の考え方、そして具体的な吉方位の調べ方までを解説しました。方位の力を理解することは、自らの手で運命を切り開くための羅針盤を手に入れるようなものです。
まずはご自身の生年月日から「本命星」を調べてみましょう。そして、年盤や月盤で五黄殺などの万人共通の凶方位を避けながら、自分にとっての良い方角を探すのが開運の第一歩です。
難しく考える必要はありません。引越しや長期旅行のような大きなイベントだけでなく、日盤の吉方位を使った日帰りの神社参拝、少し遠くのカフェへのお出かけ、大切な買い物など、日常の小さな行動からでも「吉方位取り」は実践できます。
この記事が、あなたが方位の力を味方につけ、より豊かで幸運な毎日を送るための一助となれば幸いです。